宇宙戦艦ヤマト2199感想 めんどくさいオタクにめちゃくちゃ気をつかってもらっちゃってるようで申し訳ないなぁ

宇宙戦艦ヤマト2199感想 めんどくさいオタクにめちゃくちゃ気をつかってもらっちゃってるようで申し訳ないなぁ

「良かったですよヤマト。そもそもまったく期待していなかった方向で」
「そもそも2017年に見れる内容なのかを疑っていました。だって戦艦大和を宇宙戦艦に改造して地球を救わせる話ですよ。どう考えても2017年に新作で書いたら正気を疑われる内容です。絶対にインターネットで叩かれますって。そうでなくても、女の子たちに戦車で甲子園やらせるのと同じレベルで頭おかしい」
「君はいますごい人数のおじさんを敵に回した」
「戦車道ファンは今更そのへん自覚的でしょう。私も慣れるまでにTV版を4周必要でした。
ともかく。私はどうにもリアリティの弱い作品が苦手で。いや作品が悪いわけではまったくなくて、完全に私の問題で、私の偏食です。そういうわけでヤマトも、2017年の作品にわたしが求めるリアリティ基準には沿わない話ではないのか、違和感バリバリで見るのが辛い話なのではないかという不安があったのです」

ですが蓋を開けたら、
- 若手クルーの主人公が搭乗してすぐ要職に就けるのは、末期戦の人材不足になけなしの搭乗予定者が第一話で壊滅したから。
- 海底の戦艦を宇宙船に改造したのは建造しているのを敵から隠すため
- 反敵宇宙人と勝機なしと判断している派閥をきちんと登場させる(「出雲計画派」として一本化は上手い。)
- 前のアニメで「不死身の第三艦橋」とか言われていた修理・補給の考察雑さは、第三艦橋危機一髪と、何度も行われる補給エピソードで結構ちゃんと拾う。
- 銀河を掌握するガミラス帝国に、ヤマトがたった一船で対抗できたのはガミラスが一極支配の歪みでメチャクチャに内乱しているから。(タイミング==運の良さもありますが)
- 予定の半分で打ち切り終了となった前のアニメで、駆け足最終話だったのを、諸々伏線を張って説明をつけつつ、再現もする。

「リメイク版ヤマト、すごく良かったです。ただの『お約束』に対して『理由付け』がないとそれが気になって仕方がない、面倒くさいオタクとしての自分が、宇宙を航行する戦艦という胡乱で楽しい画面を、安心して見ていられるというのが、どれほどありがたいことか」

以下、蛇足。
- 後期OPは単純に曲と内容が合ってない。いやだって「従順になるな抵抗しろ」って歌われてもさ、ダブルオーとは違うんだから。ヤマト本編はまさに全力をもって支配に抵抗中で、「どう抵抗するか」を争いはしても頭を垂れて耐え忍ぶようなことはしてないのでは、という。
- ヤマトのテーマがOPだけでなくBGMで流れるのだけれど、戦闘シーンの曲なのになんだか戯曲的、というか少し茶化す感じ。だけれどシリアスな戦闘シーンにすごくマッチしていて素敵。これは、どうシリアスであっても、良くも悪くも「ブンドド」的なヤマトのバトルの雰囲気に合うからなのではないかなと思う。
- 個人的イチオシシーンは、ガミラス戦車の陰影の前をヤマトが通り過ぎる場面。絵面が最高。

第2話 我が赴くは星の海原

第2話 我が赴くは星の海原

  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: Prime Video